NMNのヒト試験で判明!歩行能力と睡眠を改善

「歩くのが遅くなってきた…」「眠っても疲れが取れない気がする…」

そんな悩みを抱える中高年の方にとって、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)という成分が新たな希望になるかもしれません。
最近、65歳以上の高齢者を対象に行われた臨床試験で、NMNを12週間摂取すると、歩行速度の維持睡眠の質が改善されることがわかってきたのです。

🧠 NMNとは?なぜ注目されているか?

NMNは、体内でエネルギーを作るのに欠かせない「NAD⁺」という補酵素のもとになる成分です。

※ 補酵素:酵素の活性を上げるために必要な低分子の有機化合物
このNAD⁺は、年齢とともに減ってしまい、代謝の低下や老化、睡眠の質の低下に関わるとされています。

NMNは、このNAD⁺を補う手段として近年注目されており、「若返り成分」として話題になっています。

🧪 どんな研究が行われたの?

2024年に発表されたこの研究では、65〜75歳の男女60人を対象に、NMN(1日250mg)を12週間摂取するグループと、プラセボ(偽薬)を摂取するグループに分け、歩行や睡眠、血液中のNAD⁺濃度などを比較しました。

🚶‍♂️ 結果はどうだった?

驚くべきことに、NMNを摂取したグループでは…

・4メートル歩行時間(歩行速度)が改善

・血中NAD⁺濃度と代謝物が有意に上昇

・睡眠の質(特に日中の眠気や活動力)が改善

という結果が得られました。

特に、NAD⁺が増えた人ほど歩く速度が速くなる傾向が見られ、「NMN → NAD⁺増加 → 身体機能維持」という良い流れがあることが示唆されました。

😴 睡眠にも効果あり?

睡眠の質に関する質問票(PSQI)によると、NMNを摂った人では日中の眠気が減り、活動的になったという結果が出ました。

これは「眠りの質が改善された」と考えられる重要なポイントです。寝ても疲れが取れない…そんな悩みを抱える高齢者にとって、NMNはひとつの解決策になるかもしれません。

✅ 安全性は?副作用は?

NMNは自然に体内でもつくられる成分であり、今回の試験でも重大な副作用は確認されませんでした。
安全性の高さも、継続的な健康維持のサポートにおいて大きなメリットです。

🌟 まとめ:NMNは“年齢に抗う力”をサポートするかもしれない

・NMN摂取で、歩行速度の維持や睡眠の質の改善がみられた

・NAD⁺レベルを高めることで、全身のエネルギー代謝が活性化

今回の研究は、NMNが「見た目の若さ」ではなく、「中からの健康」を支える可能性があることを、科学的に示唆しています。

「最近、体が重い…」と感じているなら、NMNの力を試してみる時かもしれません。
今後さらに研究が進めば、NMNはシニア世代にとっての“健康維持サプリの新定番”になる可能性があります。

🔻 限界点と注意事項

・サンプルサイズが小さい(60名)→ 統計的な信頼性や再現性に限界があり、大規模な検証が必要。

・試験期間が短い(12週間)→ 長期的な効果や安全性については不明。

・健康な高齢者が対象 → フレイルや疾患を有する高齢者への効果は未検証。

・主観的評価が含まれる(例:睡眠の質)→ プラセボ効果や個人の感じ方の影響を受ける可能性あり。

・主要評価項目(ステッピングテスト)では有意差なし → 歩行機能改善の証拠としては限定的な解釈が必要。

Kitaoka, K., Yaku, K., Yamada, A., Ogura, Y., Hara, N., Nakagawa, T., & Kaneko, S. (2024).
Ingestion of β-nicotinamide mononucleotide increased blood NAD levels, maintained walking speed, and improved sleep quality in older adults.
GeroScience. https://doi.org/10.1007/s11357-024-01204-1

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